◆「たからもの」安倍なつみ
幼い時に病で母親を失い、阪神淡路大震災で父親 (小市慢太郎) までも失い
以来、心を閉ざしてしまった24歳の女性・武田千 (安倍なつみ) の苦悩と心の再生を描いたインターネット配信ドラマ。
天涯孤独となってからというもの自らの感情を押し殺す事に慣れていった千。
アルバイト先 (ガソリンスタンド) では無愛想な接客で客からはヒンシュクを買い
また、一緒に働いている上司や同僚からは普段の言動などを指摘される始末。
バイト先からの帰宅後、ふと父親と過ごして来た日々と別れを回想する千。
当時まだ中学生だった千 (村上愛) に対して、溢れんばかりの愛情で接していた父親も震災の犠牲に遭い帰らぬ人に・・・
弔問客相手に毅然とした態度で振舞ってみせた千も、やはりは人の子。
人知れず隠れた場所で優しかった父親を思い出しながら号泣するのであった。
父親との悲しい思い出を経て更に自らの殻に閉じこもろうとする千。
バイト作業中にミスを犯してしまって上司からはこっ酷く大目玉を喰らい
付き合っていた筈の彼氏からも見放されてしまう等、もはや孤立無援の状態。
散々な思いをして自宅に舞い戻ってきた千は、父親の形見であるビデオカメラと8mmテープをテープルの上に取り出し、おもむろに映像を再生してみる。
テレビ画面に映り出した昔の自分、ぼんやりとした表情で昔の自分を眺めていると何やら聴き覚えがある懐かしい声が・・・
千が驚いた表情でテレビ画面に近付いて見ると、そこに映っていたのは昔の千を張り裂けんばかりの声で必死に応援している父親の姿だった。
「千ッ!頑張れッ!!千ッ!千ッ!頑張れッ!ホラッ!」
懸命に叫び続ける父親の姿を目の当たりにして、止め処なく涙を流し続ける千。
父親からの賭け値の無い愛情に心を癒された千はこれをキッカケに心機一転。
バイト先でもその他の場所でも明るく振舞う様になり、前向きに生き続けていく事を形見の腕時計に語りかけ、そして心に強く誓うのであった。
新たな誓いを胸に生きて行こうとする千に宛てて亡き父親の声が優しく鳴り響く。
「千・・・頑張れ・・・」
形見の腕時計をそっと握り締め、満面の笑みで父親の声に応える千であった。
ハロプロ絡みのドラマという事もあったので、やや安直な気持ちでドラマを観ていたのだけれども、気が付いたら目頭を熱くしている自分がそこに・・・うーん不覚。
30分弱程度の短編ドラマではあったけれども、内容はかなり濃い様に思えた。
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